このレビューはネタバレを含みます
日本人に見てほしい映画として信仰の自由はある前提で、ちゃんと!
親が巻き込まれかけた事件として何度も話を聞いていたし、しっかり知らなきゃいけないことだと感じていて公開されてからすぐ見に行きました。
地下鉄サリン事件被害者でありながら、真摯に現Aleph幹部のアラキさんに向き合う監督と
その対話に向き合おうとしているアラキさん。
ひとりの人間としての側面と、団体幹部としての側面。監督が人間としての側面をぬるっと引き出していく様子、
引き出され、幹部としての自分との間で揺れている様子がどうしても苦しくなった。
どうして被害者ながらこんなに懐深く迎えいれられるんだろう、そのどっしり構えて言葉を受け入れる監督にも、涙した。
どうしてあのひとが、と人は言うけど
信じることについては、なぜで答えられるほど浅いものではないなあ。
正直、誰に何を思えばいいか迷子になった。
宗教についてはタブー視されているし、日本ではおもしろおかしく話すことが一般化されていると思っていて
この映画をみたら、そのスタンスに嫌悪感を感じるようになった。
誰でもあと半歩で、アラキさんのようになっている可能性がある。
そういう話をすると右翼左翼的な見方をしてくる人もいるが、
地下鉄サリン事件は改めて自分ごと化しなければいけない事件。
この映画を通して、人を偏見なくフラットに見、もし人が道を間違えそうなときに対話してくれる人が増えますように。
苦しみながら大切なものを捨ててまでも何かを信仰するとは、
思考を奪われ生きていくとは、
あらゆることがきっかけになり得るが
自分の頭で考え、比較しながら生きることを諦めてはいけない。
人に殺されかけながらも
孤軍奮闘しながらも
人の良い面を信じ続けることができる監督は、軽い言葉になってしまって納得いかないが、本当に素晴らしい人だと思う。
2回目、みにいこーっと