para

ミナは歩いてゆくのparaのレビュー・感想・評価

ミナは歩いてゆく(2015年製作の映画)
3.9
アフガニスタンを2歳で離れカナダに移住した監督がカーブルで手持ちカメラで短期間で撮影した2015年の作品。
上映後に西垣敬子さんのトーク付き。

映画は、
認知症の祖父の世話をしながら学校に通い、路上物売りで家族を養う少女ミナ。
父親は働くこともせず、ミナの稼ぎで麻薬中毒…
劇中選挙の話題もあり、混乱のアフガンを映す。
これだけだと悲惨な感じしかないのだが、ミナの行動力や主張の強さにどんな逆境にも負けずに進み続ける逞しさを感じ、
ラストのその先が気になる作品。

物乞いも組織化されているとは…絶句。
至るところ搾取の世界。



トークの西垣さんは、パキパキ姿勢も良くお歳を伺ってみんな声を上げた、86歳!
主婦だった28年前に突然お一人でアフガニスタン支援を始められたとのこと。
以前のタリバン時代、タリバン後、そして今についてお話を伺う。

音楽、美術等芸術を一切禁じているタリバン。
アフガニスタンで撮影された新作映画を観る時は来るのだろうか。

タリバン関係なく女性が就くことが出来る職業は教師か医師のみ。 
以前のタリバン政権後のアフガニスタン国歌には多民族国家であることが歌われていた。
多民族構成で1つの国家にまとめるのは容易ではないだろうから、この先も…と思わざるを得ない。
(2021年8月にタリバン復権で現在は国歌はない)

イスラーム映画祭 アンコール上映
もっとたくさん観たかった…また次の機会に。

呟き
現代のアフガニスタンの混乱もソビエト侵攻が始まりだったんだよなぁ。(その前の英国もあるけど)
ソビエトに対抗する中でタリバンやアルカイダが勢力拡大したことを考えると
東西冷戦代理戦争がなければ…と思わざるを得ない。
para

para