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パスト ライブス/再会のparaのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.7
幸せの渦の中に突然放り込まれる石が引き起こすさざなみ

心象を表す映像がとても素敵でした。
リアルな人間模様や感情の機微。
登場人物たちが切ない感情を抱くのは移民であることも関係しているのかも。生まれた国で生きる自国民と移民では根っこの部分が異なり、真に理解するのが難しい気がする。
この映画の成功は多分にジョン・マガロの演技力かな。

縁を強く感じたヘソン。ただそこまでの縁しかなく、仮にあったとしても前世でも来世でも同じだろう。まあそうでも思わないと諦めがつかないのもわかる。
自分のことも満足にわからなければ、他人を全て理解することは出来ない。
人はなんだかんだ言っても同質な組織に属しているんだと気付く。
家庭環境の違いはあれど、受験により同じようなレベルの学力の人で構成されて、社会でも組織に属すると似たような集まりで構成されている。
組織から飛び出しても案外変わらない。だから同じようなものたちで群れを成して安心し、異質を排除する人間のサガ。

さて物語。感動が薄かった割にレビュー思いの外長文で自分でもびっくり。
ifはあくまでもif
想い出は想い出補正だから美しく
ヘソン、お前女々しすぎるって。
20代前半ならまだしも小学生時代の気持ちのままやって来てノラとアーサー悩ませ苦しませてどうするよ。
イニョンは縁(えにし)だと思うけど、縁には濃淡強弱あるのだから、と思ってしまい、、、まったく乗れず。
恐らく最初の12年後の関係が薄いからかな。
誰しも「あの時…」の想い出は一つや二つ(もっとか)持っているし、それは脳内妄想だから良いのであって、前世とか輪廻転生とかもし本当に強い縁(えにし)で結ばれていたら違う結果でしょうよ。
単に知り合うだけの縁もあるわけで、
そこまでの縁しかなかったってこと。

いや、アンタ娯楽映画にそんなムキにならんでも。🤣

今は今、過去は過去。
ノラとアーサーの幸せを願うのであった。

上映前のCHANELの宣伝(ペネロペ&ブラピによる『男と女』オマージュ)が素敵!!
なんて素敵な世界観。
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