ノラネコの呑んで観るシネマ

スプートニクのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

スプートニク(2020年製作の映画)
4.2
ロシア製SF映画。
冷戦下の84年、モスクワで医師をしている主人公は、カザフスタンの研究所に招聘される。
そこには一人の宇宙飛行士が隔離されていて、彼の体内には宇宙で接触した“何か”がいるという。
主人公は宇宙飛行士と“何か”を、安全に分離するために呼ばれたのだ。
侵略SFのバリエーションだが、これエイリアンの設定が新しい。
ネタバレになるので詳細は自粛するが、侵略者というよりも、登場人物の閉ざされた心の深層を顕在化する役割。
いかにもソ連時代の建物という感じの、冷たい印象の研究所の中で展開する心理劇で、描写は非常に淡々としている。
メインの話にインサートされる、足の悪い子供の描写が意味深だが、これにも一捻りあってなるほどと思わされる。
ハリウッド映画みたいな派手さは一切ないものの、これはこれでなかなかよく考えられた作品。
エイリアンも小型で地味だけど、何気にむっちゃ強い。