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14歳の栞のmizukiのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.3
カメラが入ることでクラス内の関係に悪影響が出たりしないのだろうかと少し心配だったが、むしろカメラがあったからこそうまく運んだことが多かったように感じた。愛のある切り取り方がされていたこともあり本当に微笑ましいシーンばかりだった。

しかし企画が悪いわけでも劇中の35人が悪いわけでもなく、個人的にクラスというもの自体が苦手だということを再確認した。
14歳は貴重な瞬間なのだけど、人間として成長途中の刹那的な段階だからという理由があまりにも大きいと感じた。いずれ終わるものだから尊い。
こちらはただ35人を観察している立場だが、彼らはその渦の中にいる。あの年頃のうちに小さな社会を経験しておくことは重要かもしれないが、小さな一部屋に押し込められて和を乱さないよう慎重に生きようとすることこそ不自然に偏った状況な気がした。当たり前でしょうがない状況なのだけど。きっと自分の中のコンプレックスが刺激されたからそう感じたのだと思う。
35人が各々自分らしく、心穏やかに生きられますように。
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