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14歳の栞のyoのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
何をもって「大人になった」と言えるのか。成人したとき、身体的変化が起きたとき、人間の神秘を知ったとき、壁を乗り越えたとき…。定義づけることは難しいけど、たしかにどこかで私たちは子どもから大人になっていく。

登場する14歳たちのなかには、既に挫折に近いものや諦めを感じている者もいる。年齢的には"大人"である私は、瞬発的に「まだ若いのに夢を諦めてしまうなんて」とおもってしまったけど、大間違いだった。当時14歳だった自分も、彼らと同じように熱中するコトがあったが、「これ以上頑張っても自分以上の人のことはもう決して超えられない」という、あまりにもシビアな現実を目の当たりにしていた。それなのに、こんな大事なことを忘れてしまっていたのがショックだった。時の経過は恐ろしい。

歳を重ねると分かるようになることも沢山あるが、14歳だからこそ、肌で心で感じることは多い。

ここに映された人たちは、どこまで、カメラというある種の「異質なもの」を意識していた/いなかったんだろうか。私とその周りの人たちの14歳時代も、こうやって記録に残していたら相当興味深いものになっていただろうな。
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