Leonardo

14歳の栞のLeonardoのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
5.0
自分が馬鹿にしてる人や毛嫌いしてる人、話したことない人にもそれぞれの人生がある。すごく当たり前の事が頭から離れなくなった。

「多感な時期」という言い方があるけれども、多いどころか様々な事を無限に感じていたのを思い出す。輪の中心で騒ぐ人にも、他人の成績をいじる人にも、オタク気質を気持ち悪がられている人にも、自分なりの考えや感情がある。そしてそれを言語化できる。もう遅いと夢を諦めた人もいれば、嬉々として自分の将来を語る人もいる。もう大人だと自負する人もいれば、早く大人になりたいと嘆く人もいる。また、担任の先生だって、頭ごなしに怒鳴ってくるように見えていても、その裏には生徒への思いが隠れていることもある。
中高時代に、この映画を観た後のように、他人の頭の中を少しだけ想像できたら、もっと傷つかずに、傷つけずにいられたのかもしれない。

35人の14歳みんなに「言語化しない」選択肢が与えられているところが、さらにリアルさを感じさせる。「これあの子が聞いたら嫌かもだけど大丈夫?」とスタッフが聞く場面や、質問に対し「言いたくない。」と答える場面もある。とても真摯で優しい作り。

ポストクレジット?で「いつまで撮るんですか?」「一生。」「こわっ。」みたいなやり取りで、この先も人生が続くことを思い出させてこの映画は終わる。

この映画に救われる人は沢山いると思う。
Leonardo

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