BBSchan

14歳の栞のBBSchanのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.8
2年6組35人全員密着を遂に見てきました。
35人密着ってどうするの?ネタにならないような子もクラスに1人や2人絶対いるよ?って思ってたけど全然そんなことなかった。マジで1人1人に密着していくし、35人もいたら誰だか分からなくなると思いきや、どんどん分かる。編集が良くって何度も同じ映像を使うことで、この子はこの時の子だったのか!とひたすら反復させられることでクラスの理解度が深まっていって途中から担任の気分だった。

2年6組の子達も全員しっかりしてて、いわゆる厨二病みたいな子もいなくて想像していた14歳と全然違った。正直、自分が14歳の時にインタビューされてもあんなに思ってることを明確に言葉にして伝えられたかなあ…なんて思い返してしまった。
それに総じてどうしてこの瞬間が映像に収まってるの?っていうシーンが多く、この映画自体どうやって撮り始めるに至ったんだろうとか、周りの理解を得るのも難しいだろうし、とんでもない熱量と覚悟で挑んでるのだろうとか色々と考えてしまった。こいつは彼らにとってはセンシティブな内容も多く配信できないのも分かる。

好きで集まった訳でもない35人が一緒に過ごすのは人生で本当にこの1年間だけで、経験上、何年後に同窓会なんてやったところで絶対に35人は集まらないんだよなあ…とか思ったら最後はなんかしんみりして泣けてきた。いや別に自分も集まってみたいなあ…とかないんだけど。
2021年公開を考えると撮影時期は遅くても2020年?14歳だった彼らは今年18歳成人になるんだろうと思うけど、想像してた大人になってるんだろうか。そもそも大人になるってなんでしょう。
それぞれ見る人の年齢や立場で当時の経験を思い返して色々考えさせられる正に14歳の栞でした。名作です。
BBSchan

BBSchan