どなべ

マンディンゴ デジタルリマスター版のどなべのレビュー・感想・評価

5.0
今でこそ珍しくないが、19世紀アメリカの田舎で農園を経営する白人一家とその黒人奴隷たちの話
マンディンゴは(先天的な)格闘家の黒人奴隷みたいな意味で、白人が自分のマンディンゴを戦わせる遊びをしていたようだ

まずストーリーと演出について
19世紀の黒人奴隷を扱った映画は今は珍しくないので、その辺の展開とか黒人を痛めつける描写だとかはまあ見たことあるようなものだった
ただ40年代か50年代のオマージュのような演出がよく見られるのは特徴的 例えば右のパフレットを見ると2人の女性が抱えられているが、どう見ても40年代くらいのアートワークのオマージュになっている(その時代の映画は19世紀を白人どうしのメロドラマとしてしか撮ってないお気楽なものが多いので、黒人に置き換えることによる皮肉なのかもしれない)

撮影について
影の使い方うめえなあと思って見てたけど、この監督はフィルムノワール出身らしく納得した 総じてこの映画の撮影はかなりレベルが高かった

音楽
ブルースやバンジョー系のプリミティブな黒人音楽がたくさん使われていて、とても良い 「ブルースは黒人奴隷の過酷さを歌い、辛さを紛らわせるものだった」という知識自体は知っている人が多いけど、この映画で身をもって体験できるよ
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