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ひらいてのdxdxdのレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
4.2
「ひらいて」クソデカ独占欲&百合&人間の業深案件だった。恋愛映画のはずなのに途中活劇みたいな展開があって度肝を抜かれた。

その他、途中「山田杏奈に何やらせてんのよ」みたいな事が幾度となく出てくる。彼女のキャリアの中でも相当攻めた作品だと語り継がれると思う。

役柄的に自分の愛情のためなら手段を選ばない恋愛大怪獣。予告編からそんな予感がしてたけど三角関係のぶち壊し方としてはエポック過ぎる。暴走具合でいうと「空白」の古田新太を思い出した。

「曇ったガラスのような目」って劇中で言われていていたけど、納得した。優等生なんだけど全然目が笑ってない。自分の本心は絶対見せない。こういうタイプが一番ヤバいと本能的に分からせてくる。

作間龍斗も素晴らしかった。演技経験あんまないとは思えない。喜怒哀楽がはっきりしてないけど一握りの優しさだけはどこか感じられる。スタイルが冗談みたいに良すぎて人外感がある。個人的にはその内黒沢清映画に出ていてもおかしくないと思う。

あと、芋生悠は「ソワレ」と言い、地味は見た目だけど…実はのギャップを作る名酒かもしれない。個人的にはえげつない事をした後に「お母さん梅ゼリーある〜?」とお菓子の話をするところが人間臭かった。

首藤監督は抗うことの出来ない人間の執着心を描く人だと思った。結局執着していた側の人間には破滅への道を歩むことになるんだけどそれが清々しくて美しい。ダサい宣伝コピー的に言うと「共感度0%」の人の話なんだけど、やっぱり人間ってこうでなくっちゃなって思う。
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