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Samaya obayatelnaya i privlekatelnaya(原題)
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『Samaya obayatelnaya i privlekatelnaya(原題)』に投稿された感想・評価

ロシア語の原題の発音がそのままタイトルとして登録されてしまうくらい酷い扱いを受けている本作であるが、主演はあの『モスクワは涙を信じない』のイリーナ・ムラビヨーワで、ソ連崩壊前の最もМосфильмが隆盛を極めていた頃のラブ・コメディ、今でも本国では根強い人気を持つ作品だ。(監督のジェラルド・ヴェザーノフのことは私はよく知らない。)

原題の《Самая обаятельная и привлекательная》は本作内で、主人公のナージャと、彼女の「恋愛の師」であるスザンナが呪文のように唱える台詞。英訳すると "The Most Charming and Attractive" であり、日本の配給会社が邦題をつけるならば、『サイコーに魅力的なワタシ』とか、或いは商業主義的配慮を顧みずに『ソヴィエト式婚活指南』であるとか、まあそんな具合であろう。

女性は男性と結婚し家庭を築くことが幸福である、という前近代的な大前提が主たるテーマとなっていることや、「(当時の)イケてる女」を演じているスザンナの様がいまとなっては旧態然としていることなど、多少の時代的な残念ポイントが残るが、それを差し引いても是非この映画を観るべき3点を挙げたい。

ひとつはイリーナ・ムラビヨーワの演技。彼女は──その深い瞼のせいであろうが──常にどことなく寂寥感を湛えた表情をしており、笑顔のなかにも自然と「モテない女の悲哀」が溢れ出ている。決してハリウッド的なハッピーエンドは迎えない(ソ連映画に慣れている諸兄にはそんなことはネタバレでも何でもなかろう)が、彼女は自立した女性として自由な恋愛に前向きな表情を浮かべる。

もうひとつはソビエト科学技術の無理のないプロパガンダ。主人公のナージャは設計技師であり、主に図面と睨めっこをしていたり、最先端の機械(なんの機械なのかはよくわからなくて笑ってしまう)の試験運用に携わったりする。恋愛の師であるスザンナも、心理学・精神分析の専門家であり、科学的恋愛手法と称してナージャを成長させる。これらの描写において、かつての家父長制的な女性像と切り離された、科学により自立した個と、その自由恋愛という構図がナチュラルに描かれている。実際、公開当時の映画ポスターには──本編とは何ら無関係であるにも関わらず──ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図が描かれていることも、科学との関係性の象徴といえよう。

最後に、前ソビエト的服飾や装飾。恋愛の師であるスザンナの家はおそらく当時のソ連の最先端の《モダンガール》を意識したものであったろうが、今となってはレトロ・フューチャーである。(なぜ昔のコンドミニアムの壁紙というのは、あんなにも柄物を多用したがるのだろうか?)技師たちが出張先へ向かう列車は、どことなくかつての日本の上野・札幌間を結んだ寝台特急「北斗星」を髣髴とさせ、郷愁の念を想起させる。

80分という短い尺の比較的わかりやすい恋愛映画であり、音楽や町並みも、かつての冷戦下のソ連における独特な「ツクリモノ臭さ」が逆に美しく、ソ連映画の入門をあれかしと思う方にも適しているといえよう。但し、非常に残念なことに、この映画の日本語字幕ヴァージョンが提供されているとは、仄聞にすら接したことは無いのである。
potato
3.5
これかわいんだよね〜〜〜