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モンタナの目撃者のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)
2.5
[山火事の怖さを知る映画] 50点

双子の殺し屋に狙われた少年を森林局消防隊のアンジーが守る話。双子の殺し屋はニコラス・ホルトとエイダン・ギレンが演じているが、後者は完全にピーター・ベイリッシュだったのでファンとしては嬉しい限り。昨年、カリフォルニアで起こった山火事の一つが殺人事件を隠蔽するために人為的に引き起こされたという記事を読んだが、本作品でもそういった描写が登場する。テイラー・シェリダンにしては性格描写にかまけて物語が鈍重で、最後の終末感ある山火事での戦い以外は森を逃げているという感じもしない。てか、山火事で少年を目の前で亡くしたトラウマのある姉御肌の消防士が少年を救うとか、航空パニック映画かよ。取り敢えず山火事が見せたかっただけではとも思えてくるが、そう思わせるだけあって山火事の描写は凄まじい。火事そのものは人為的に引き起こされたものなので"自然の恐ろしさ"とまとめるのは微妙な気もするが、荘厳な音楽とともに登場した美しい緑の山々が一瞬にして表情を変えることをそう呼ぶのであれば正しいのだろう。

山火事お仕事映画を観るなら別の映画を観てくれという感じなんだろうけど、主人公のパニック映画的描写が主人公の中で完結してしまっていて、知らない人が勝手にそのトラウマを乗り越えたみたいな感覚に襲われた。テイラー・シェリダンはどこを目指してるんだ…?
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