EDDIE

偶然と想像のEDDIEのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
5.0
す、すごい!濱口竜介脚本の妙技。
3つの物語から構成された偶然が重なる短編オムニバス。1つ目はちょっぴり切なく、2つ目はエロチック、3つ目は感涙。
渋川清彦“扉は開けたままで”は今年イチの大爆笑!めっちゃ好き!

そして本日2021年12月19日、オンライン試写会に続いての2度目観賞。
劇場スクリーンでこそ楽しさが最大限に活きる短編オムニバス!今回も笑った笑った!場内のお客さんも“ここぞ”という場面で爆笑するので、二重の意味で楽しい。偶然が重なる会話劇。言葉だけでなく出会いまで。ホントにホントに面白い!!

と、上記の通り、早速2度観てきました。

第1話「魔法(よりもっと不確か)」
古川琴音、中島歩、玄理
モデルとスタイリストの親友同士がタクシーで会話を繰り広げています。スタイリストのつぐみの最近出会った気になる人の話題で持ちきり。ただその彼の存在がまさかの偶然で…
親友同士の自然で仲の良い会話劇、元恋人同士のリズムの良い会話の応酬。淡々と進む中でも見事なリズムを織りなすこのエピソードにはついつい魅了されてしまいました。
終盤まで最高にグッとくる展開が続きます。

第2話「扉は開けたままで」
渋川清彦、森郁月、甲斐翔真
大学の研究室の一幕。教授に向かって土下座する男子学生。果たして何があったのか。
そして時が経過してその男子学生と不倫をしている1人の女性が現れます。彼女は結婚して夫と子がいながら、大学に通う女子学生のようです。
その後、彼女は大学教授にハニートラップを仕掛けようとするわけですが…もう、このエピソードは今年イチ笑いました!
試写会で観たときに、これは絶対あのシーンでみんな笑うはず。その瞬間を是非とも味わいたい…そう思って劇場で観賞したわけですが、見事爆笑が巻き起こっていて私も大満足。個人的に一番好きなエピソードでした。

第3話「もう一度」
占部房子、河井青葉
女子校の同窓会に20年ぶりに出席する1人の女性。彼女は誰かを探している様子。おそらく仲良しも友達と呼べる人もいないのでしょう。なんだか居心地が悪そうで一次会でその場を去ります。
東京へと戻ろうと仙台駅に向かう途中、エスカレーターですれ違った女性がまさかの…という奇跡のような偶然から2人の会話劇が始まります。
コンピューターウイルスの頒布によりインターネットが使えなくなった“もしも”の世界。だからこそ生み出せる奇跡のような話。
見事な脚本と2人の演技のアンサンブルにより、最高に感動できる作品に仕上がっていました。

この一連の流れがとても愛おしく美しく何度でも堪能したいと思わせる贅沢な瞬間。
やはり濱口竜介監督は凄まじいですわ。

※2021年新作映画186本目
※2021年Fan’s Voice独占最速オンライン試写会
EDDIE

EDDIE