さく

偶然と想像のさくのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
3.9
人生の妙味というような、ほろ苦さ、優しさ、ちょっとしたおかしさなどを少人数の会話劇で描いていて、とてもよかった。
シュールなおもしろポイントも多々あり、客席から笑いが起きていたのも含めて、よくできたコント、あるいは演劇の小作品を見ている感じ。(余談だけど今は知らない人と同じ楽しみを共有できる機会はそうそうないので、懐かしい感じがして嬉しかった。)
3話目がすごく良かった。あの話をやるためにこの映画を作ったのでないかと思う。そこにいない人に語りかけ、その姿を観客に想像させることのできる俳優の演技力と、濱口作品独特のあの語りが感情的な起伏を帯びるまでの話し運び、演出のうまさに驚いた。
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