遊

偶然と想像の遊のレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
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やっぱり映画は映像で勝負してナンボ、言葉で何でもかんでも表現しすぎちゃチープになるよ、という言論を根底から蹴り飛ばしてくれるような、深く重い言葉たちが嘘みたいに軽やかに紡がれる会話劇

会話劇というより「台詞劇」という方がニュアンス近い気がする 「自然な会話」とはまた別の「精妙にコントロールされたリアル」だから
カメラの前で発話し、演技することについて掘り下げ続けている監督であることが少しずつ分かってきてるかも

現実の模写とリアリティは違う、「現実的」ではない「真実」の表現を追求するために虚構を利用する作風ならそりゃ村上春樹とも相性が良いよな

とにかくPASSIONを観ておいてよかった

特に3本目はキアロスタミのようだった、トスカーナの贋作を彷彿とさせた なんせ占部房子はジュリエットビノシュだから
「人の言うことなんて聞きゃあしないの」の言い方めっちゃくちゃ耳に焼きついたな

あと 遊 って名前が出てきて嬉しかった
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