いつもいっちゃん

対峙のいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

対峙(2021年製作の映画)
5.0
日本公開を待ってました。
邦題が「対峙」になり、満を持した公開。
一時期アカデミー賞の本命になるのではト話題になった作品でありながらノミネートすらされないガン無視状態。

結論から言うとかなり大傑作。
年間ベストに入るであろうくらい良かったです。
学生の銃乱射事件の被害者と加害者の両親が教会の一角の部屋を借り面談。
語られる会話の一部始終が描かれる。
一体何が語られるのか。
会話劇でありながら観る側を凄いところにまで連れて行く求心力。
明らかに噛み合わない両者の会話から浮かび上がる加害者親側の見栄と建前。
それに対する被害者親側の怒りと本音がぶつかる。
目線1つ、表情1つ、言葉の選び方1つで緊張感が生まれる会話。
真に迫る言葉の応酬に胸が締め付けられる。
そして語られる本当の真実に深い余韻が残る。
核心を突いてくる大人達の本音の先に真実がある。
画面サイズが変わる瞬間、また一段階深みに入っていく演出も素晴らしかった。

そしてこれがアカデミー賞ノミネートされないなんて、、、。
キャストはみんな凄まじいリアリティのある演技で、劇映画を観ていることを忘れるくらい。
特にジェイソン・アイザックスはアカデミー賞受賞に相応しい演技でした。
芯のある見応えと、深い余韻に包まれる大傑作。