sakura

対峙のsakuraのネタバレレビュー・内容・結末

対峙(2021年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

すごく気になっていた映画でやっと見ることができた。
映画と思えないほどリアルで、きれいにまとめられ過ぎていないところも含めてほんとうのことだと感じた。
実際に被害者家族、加害者家族の立場に立ってみないと本当の感情はわからないけど、ただ4人の話、感情の動きをただじっと見ていたら、自分もそこにいて、どの立場のだれの気持ちも少しだけ想像できたような気がした。
はじめは妻をなだめ、制していた父親が爆発した時の演技も本物としか思えなかった。
やるせなさと喪失感とそれでも生きていかなければいけない家族の気持ちと、いろいろな思いが重なり、後半のあたりで涙がとまらなかった。
もう子供は戻ってこない。
誰かを憎み、罪を被り、心から苦しみ後悔して欲しい。
でも、それでは乗り越えられない。
赦します、という言葉は私だったら出てくるだろうか?
その後、足早に帰ろうとした父親の姿をみて、後悔しないだろうか?彼は彼なりに苦しんでいたけれど、一度赦すと言った自分の言葉を撤回してまた苦しめたくならないだろうか?
人は自分と同じ価値観ではないし、同じ物事に対する考え方やとる行動もみんな違う。
自分だけのものさしでみてはいけないんだと思った。
これまで生きたきた生き方や考え方、環境、困難の乗り越え方も人それぞれ。
それを忘れないで生きていこうと思う。
被害者側の夫婦はすごいと思う。
俳優陣の演技とは思えない素晴らしさにも感動した。
映画とは関係ないけど、勉強中の英語がところどころ聞き取れて、話し続ける映画なだけに、勉強にも最適なものでした。
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