まらそんマン

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIEのまらそんマンのレビュー・感想・評価

2.0
大好きなドラマの映画版。
年末のドラマスペシャルも面白かったので、期待して観ました。

確かに笑って楽しめて、ホロリと泣ける作品なのですが、登場人物も内容もてんこ盛りで、かつラストの事件の真相解明のくだりも雑すぎて、残念な印象を受けました。

最初の事件、熊本のお店の名前が「テキサス」で勝野洋さんが店主だったり、崖の上の事件再現シーンで明石さんが「やらせはせんぞ!」とガンダムのドズル・ザビ中将のセリフを使うところなど前半は楽しく見れました。

ただし、
・最強のライバル弁護士登場と思っていた西島秀俊さんが、映画では序盤のみ暗躍するが、中盤以降は何もできない役立たずになる。
・映画予告で榮倉奈々さん、木村文乃さんの登場シーンがあったが、木村さんはやや役割有り。ただ、榮倉奈々さんの登場は必然性なし。
大友元検事正の奥田瑛二さんの登場も少し無理やり。かつ、良い人に描かれているのは、かなり違和感あり。
深山との確執は続いていると思うし、深山が事実を徹底追求する様子を、大友弁護士が「あの人らしい」などとは言わない気がする。
・葡萄作りに取り組む「天華一」村の「天華一葡萄会」のくだりでは、ドラゴンボールネタを使いすぎ。15年前の凄惨な事件だし、大変な冤罪で多くの人の人生が狂わされたのに、ふざけ過ぎが眼についてしまう。
・何より最後の事件の真相解明がいただけない。あんな事件の真相はあり得ない。警察も検事も裁判所もそんなにバカではないと思うし、犯人も事実を隠し通すこと、嘘を突き続けることは不可能だと思う。

映画のスクリーン、音響でより楽しめるようにというサービス精神が強過ぎて、歴代メンバを必要以上に登場させ過ぎているし、ストーリーも雑駁なものになってしまっている印象を受けました。

登場人物を増やしすぎて、続編のストーリーが雑になったのはオーシャンズ11シリーズを思い出しました。

ただ、深山(松本潤さん)、佐田(香川照之さん)、杉咲花さんはじめ刑事事件専門チームの息のあった掛け合いや事件追及シーンはとても良いので、きちんとした事件の筋立てと明確な強敵の設定があれば良かった気がします。

とても面白いドラマシリーズだと思うので、SEASON3もしくはドラマスペシャルで新作を期待しています。