このレビューはネタバレを含みます
緩やかに時間が溶けていきます。
印象的で羨ましくも且つ素敵だなと感じたシーンは、
ネリーが「また今度」の無い「さようなら」を祖母に対して伝えることが出来たシーンです。
冒頭にネリーが「また今度」の無い「さようなら」を祖母に対して伝えることが出来なかった後悔の念を、
マリオン（母）に対して涙しながら伝えているシーンで、
ネリーを自分と重ね合わせてしまいました。
私自身の話になってしまいますが、私はあることを必ず行なっています。
家族みんなで車で祖父母に会いに行った帰り際、
必ず車窓から手を伸ばし祖父母の手を握りながら
「じゃあね、また来るね。バイバイ」
と伝えること。
これは私にとってはとても大切なことで、
いつ最期に立ち会えなかったとしても、
手を握りながら伝えることによって、
「また今度」の有る「さようなら」が後悔ではなく
特別な「さようなら」になるから。
「また今度」の無い「さようなら」を伝えることが出来ない可能性がある現実世界に私たちは生きていて、
「また今度」の無い「さようなら」を伝えれたネリーのことをとても羨ましいなと感じました。
「出来ないこと」を「叶えることが出来る」ファンタジーって素敵だなと改めて思いました。
