よつゆ

秘密の森の、その向こうのよつゆのレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.2
自分の親にも親がいる。
当たり前の事の筈なのに、それが何だか不思議なことのように思えていた。
自分の親は自分が生まれた時からずっと親で、子どもじゃないし、子ども時代があって自分と同じように親に育てられたことが、すごく不思議な感覚だった。

そんな、親子という普遍的な関係性を、また不思議な視点から表現していて面白い。
自分の親の子ども時代。
自分にとってのおばあちゃんは、同い年の母親から見たら当然母親で、その空間に自分もいる。
なんてことない母娘を見ている筈なのに、どこか特別に感じられて、お母さんのことが前よりも少し分かったような気がする。
車を運転してくれて、一緒にリビングで寝てくれる優しいお母さんは親だったけど、もちろん悲しいとか怖いとか、子どもの頃はさらけ出せていた感情も持っていて、そんなお母さんを見た時、前よりも少し近くに思える。
それでも、どんなに小さなお母さんでも、お母さんは自分のお母さんだった。
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