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白い牛のバラッドの35のレビュー・感想・評価

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)
4.5
試写会にて。

宗教色が強く、序盤は納得し難い部分もあった。被害者の妻が謝罪に来る場面では、どんだけ勝手な言い分だと思ったが、イランの死刑制度とイスラムの考え方を知って少し理解できた。
なんと言ってもラストシーンの緊迫感。心臓がバクバクして呼吸を忘れるほどだった。最終には解釈が分かれるだろうけど、私はポジティブに捉えた。
ミナがシェイラを外して赤い口紅を塗るシーンがとても印象的。イスラム女性にとってとても勇気と意味のある行動だと思う。

終演後のトークセッションにて…監督兼主演のマリヤム・モガッダムは実際に父を死刑で亡くしているらしい。彼女の迫真に迫る演技はその当事者意識からも来ているのではないかと思った。日本の死刑事情と海外のものを照らし合わせてのお話がとても参考になった。死刑制度について当事者意識を持っている人があまりにも少ないことが改めて分かった。
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