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白い牛のバラッドのmatsuのレビュー・感想・評価

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)
4.2
何と素晴らしいイランのサスペンス映画だろう、イラン映画は質の高い作品が多くて本当に侮れない

夫が処刑されて一年後に真犯人が見つかり、夫が冤罪だったと知る
(お金での解決のみで、裁判官などからの謝罪なし)

未亡人は裁判官などに謝罪を求めるが、誰も彼女の言葉を重く受け止めないし、誰もまともに取り合ってくれない


そんな中、夫の昔からの友人という男性が現れる

彼は未亡人にお金を渡し、未亡人の引っ越しの手続きや娘の世話などを手伝う

未亡人は親切なその男性を信頼し恋心を抱くようになる…

終盤〜ラスト、その男性は夫の友人ではなく、まさかの人物だった事が判明する

その事実が分かったあとの、凍りついたようなテーブルでの食事風景は非常に恐ろしかった

死刑制度、冤罪、声を上げても無視される女性の立場、女性が生きづらい社会などを風刺をきかせて鑑賞者たちに訴えかけるその手法は本当に見事だった

主演の未亡人役マリヤム・モガッダムが全体的に素晴らしいのだが、何と彼女は監督・脚本も担当していた〜それを知ってめちゃくちゃ驚いた
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