naka

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノのnakaのレビュー・感想・評価

4.0
この映画は三幕構成のブラックエロティックコメディである。一幕目は主人公の女性教師と夫とのセックスビデオが動画サイトに無断でアップされたことが発端になっていきます。冒頭から劇場公開する時はモザイクだらけになるのだろうと思うほど、性器が画面上に跋扈します。女教師がルーマニア中を練り歩きますが、その歩く中でカメラがコロナ禍のルーマニアを切り取っていくドキュメンタリー映像になっていきます。この場面でのコロナ禍における人々の対応の多さにはびっくりする。コロナ禍を表す手段としてZoomやマスクではないところが素晴らしい。二幕目は、格言やブラックジョークなどが連なっている映像集である。近年では、ゴダールの『イメージの本』のような色々なフッテージにコメントを付けていくスタイルが近いと思います。モンティ・パイソンのコント集を観ているような感覚に苛まれ、もしくは、ビアスの『悪魔の辞典』を連想するような含蓄のある悪趣味ギャグが続いていきます。観客は、言葉の洪水に流されていく感覚がします。三幕目は、一幕目の女性教師が生徒たちの親に弾劾される法廷劇になっています。話が進むにつれて、本題がどんどんずれていきます。
少しネタバレになるが、DCはよくキャラクターの使用許可を出したなぁ。
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