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明け方の若者たちのindigoのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
3.0
物語は原作を読了。
2021年、「花束みたいな恋をした」を筆頭に、
若者×社会での葛藤×恋愛×(サブ)カルチャーの映画をよく観た。
上記の映画では登場人物の生活に寄り添った音楽が流れ、同じ時代を、同じような日常を生きた観客の心をグッと掴んだ。
今作ではKIRINJIのエイリアンズから始まり、きのこ帝国の東京、マカロニえんぴつのヤングアダルト…
物語の前半、名だたる名曲たちが追い討ちをかけるように流れる…が、音楽の扱い方が兎に角雑!
写ルンですで撮った写真をスライドショーにして、流行りの曲をBGMにしたTikTokのそれと、全く同じ。
好きな曲ばかりだったので、ただ「エモい雰囲気」を出す為に使われているのを観てしまい、かなり落ち込む…。
それに、物語の主な時代(2012年頃〜)から撮影時(2021年2月〜)まで、時間経過によって街並みが変わるのはしょうがないが、
監督が「工夫して撮った」というからにはもう少し時代を寄せて欲しかった。それなー!とかその頃まだ言わないでしょ。
その点で、よく比較対象とされる「花束みたいな〜」、「ボクたちはみんな大人になれなかった」との、大きな差を感じた。


俳優陣の演技は素晴らしく、同期3人のシーンなんかかなりテンポが良い。
個人的に初見である井上裕貴さんに出会えたのはかなり嬉しい!
身長が高くて、お顔は伊藤健太郎さんと坂口健太郎さんを足して割ったような雰囲気。つまりかなりのイケメン…
なにより演技も素晴らしい!スタイリッシュだけど、格好をつけてる演技ではなくて、元から格好良い人から溢れ出てしまうスタイリッシュさ。いるよねこういう人。
北村匠海さんは空を見上げてる横顔が松本潤さんに似てきたなー。
陽だまりの彼女では松本さんの少年期役を北村さんが演じていたけど、あのキャスティング、すごい…
黒島結菜さんの性的なシーンを初めて観て、結構な衝撃。
個人的に、脱げば演技が評価される流れがだーいきらいなので、この映画のように、
脱がない濡れ場が増えると良いなと思います!肌を安売り必要はないです!

「花束みたいな〜」でスリーファイブオーエムエルの缶ビール買って君と夜の散歩、をしていたのと全く同じ道を、
今作では、男二人で歩く。あのシーンがかなりお気に入り。
終盤そのシーンまで来てやーっと映画化してよかったなーとやっと思えた。
エンディングのマカロニえんぴつも。よかった。よかったです。
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