ユウリ

明け方の若者たちのユウリのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
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小説を読んでいたので、どんなストーリーなのかはわかっていたが、カツセさんが生むエモの世界観がしっかりと映像で作り上げられていた。

東京で学生として過ごしたひと、
東京のなかでも西で遊びがちだったひと、
明け方までお酒を飲んでたひと、
何者かになりたいと願ってたひと、
入社した会社がなんか違うと思ったひと、
引きずる恋愛を経験したひと、

これらに当てはまる思い出を持ってるひとは特に、きっと自分と重ねてこころがきゅっとなると思います。いや、20代を生きた人はどこかしらで何かを思うだろうし、一生懸命に生きたこれまでを愛おしく思える作品。

若さって一瞬のきらめきだけど、その一瞬の思い出がいかに尊くて、切なくて、苦しくて、大切なんだろう。

その一瞬を一生思い返してしまうほど、眩しくて仕方ない記憶になるんだろうし、その記憶だけで人は少し強く、前を向いて生きていけるんじゃないかと思うほどだった。

それらの思い出はすべてがいいものじゃなくって、「こんなはずじゃなかったのに」と未だに後悔することもあるんだろうけど、そんなことも全部全部愛おしいと思えてしまうんだろうか。

若さっていいな(現22歳)
まだまだ"若さ"を武器に生きてたいと思う。

それにしてもキリンジのエイリアンズが流れるの最高だったなあ。

そして、何より小説を読んでない方にはぜひ読んで欲しいです。カツセさんの描く台詞以外の彼の気持ちや描写が堪らなくいいので。おすすめです。
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