指の小指

ボーはおそれているの指の小指のネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督が再びA24とタッグを組んだ長編三作目。2011年製作、自身のショートフィルム「Beau」がアイデアの元となっているとのこと。

誰かの“死”から物語が動き出すのは三作連続。ホアキン・フェニックス演じる主人公ボーは突然怪死した母親のもとへ訪れる為にアパートから外へ。しかし、そこには恐怖で埋め尽くされた世界が広がっていたー。

全体的にかなりコメディとしての描写は多めでニヤニヤしてしまう部分も。最悪の絡み入浴やマライア・キャリー「Always Be My Baby」の選曲も酷い😂父親の正体は…どぶろっく?

しかし、この映画の捉え所の無さ、ひいて言えば難解に思える部分はリアリティラインの曖昧さに尽きると思います。「ヘレディタリー/継承」ではアニーの夢遊病、「ミッドサマー」ではマジックマッシュルームなど、正常な判断が出来ない人物の周囲に冷静な第三者がいることで異質さを強調していました。

一方、今作ではボー(もう一人の人格も?)の一人称視点&過去の記憶も混濁して見せられるので、指針になるものが無くずっと宙ぶらりんで居心地が悪い。真相が明かされるパートは一定の面白さがあれど、その他の情報量が多過ぎて咀嚼し切れなかったかも💧

この世に生まれ出る“恐怖”とも取れるファーストカット。最後の審判を受けて死の“恐怖”に直面し、まるで棺桶の様に延々と映されるラストカット。まさにボーの“揺り籠から墓場まで”を描いた物語でもありました。

🚣
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