心配性のボーが、離れて住む母親に会いにいく冒険譚（？）
いったい何を見せられているんだと思いながら見続けていると、この不気味で理不尽で脈絡のない展開が心地良くなってくる。でも3時間はちょっと長かった。さすがに疲れました。
恐らくアリ・アスターの見た悪夢をもとに映像化したのでしょう。
夢は、現実世界でのトラウマやストレス、本人も気づかない潜在意識なんかがベースになっていると思われるので、それを想像しながら今作を見るのも楽しいと思います。（ちょっと情報量が多すぎて大変ですが）
アニメーションパートは、「オオカミの家」のレオン&コシーニャが担当したということで、奇妙で不可思議な世界が、ますますカオス味を帯びていました。
暴力的で混沌とした現実社会への不安や、両親への猜疑心やコンプレックスと、さまざまなテーマが提起されますが何も解決しません。そしてボーが精神的に成長するわけでもなく、ただただ悪夢に翻弄され続けます。
見ているこちらも翻弄されっぱなしですが、一番印象に残ったのは、ホアキン・フェニックスの混乱した顔と、力無く吐き出すかすれ気味の声でした。
