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ボーはおそれているのKのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ヘレディタリーもミッドサマーも観てきてアリ・アスターに魅了されています。
今までの作品は短編作品も含めて「本当にいやぁな感じの映画を撮る天才だなぁ」と思っていました。
ヘレディタリーなんか結構本当に怖かったし、「原家族大丈夫?」と思ってました。

だから今回も相応の覚悟をして臨んだつもりでしたが、今回結構、ちょけてませんか?

私は序盤の電話2回掛けのシーンから、終盤のベッドシーンまで、ちょいちょい入るブラックなフリとボケとスカしなどにクスクスきてしまった。
終盤にいくにつれて趣味の悪いドッキリか狂気的な夢をを見せられてる気分で 
そのメタ視点が効いてるせいなのか、今回は怖さよりもブラックコメディとして体験してました。
唐突に始まるドラッギーなテリーギリアム調の紙芝居も
スターシップトゥルーパーズみたいな脳天串刺しも。

「今まで一度もしたことないなら、、じゃあ僕達は、、?」って言われた時のホアキンの顔とか、皆さんどういうお気持ちで観たのでしょう。

毒親要素も、強迫観念も、フリーズ反応も、今回は生々しくなく夢の要素に溶け込んでいた気がしました。
最後の裁判も、オーディエンスの立場で最後までエンタメとして観られた感じです。
あれは超自我vs.エスってこと、な訳なく。
なんかもっとプリミティブな分離の文脈っぽいですよね。「母親の体験」と「自分の体験」と、その調整が出来なくてパーンって解体したって理解で良いんですよね?
というかクラインで考えるより、愛着理論とかコフートで考えた方が理解しやすいしフィットすると思いました。映画自体も「体験」的な構造ですし。

なお、途中で劇場から退席された方が2名ほど居ました。確かに決して健康的な映画ではないのは事実です。
私は、映画館で観られて良かったなと思いました。
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