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ボーはおそれているのkikajima2のネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

つまらん。

冒頭5分くらいで今まさにビルの屋上から飛び立たんとする人間が野次馬の掲げるスマホ画面に映されるので、アリ・アスターも『ミッドサマー』のあのトロい飛び降り自殺からついに成長したかと感心しようと思ったら、肝心の飛び降りを全オミットし関係ない道端の死体なんか写す始末。愚行の限りである。

とにかくいらない溜めとスカし演出が繰り返されるので、ゲンナリしてくる。予告編で楽しみにしていた、ボーがアパートから出た途端並走して何かを捲し立てる人間はいざ観たら助けを求めているだけだったし、あいつが風呂場の天井に張り付いているのが判明する瞬間はちょっと面白かったけど、落ちてくるまでが異様に長い。そしてスカし演出の極め付けは、途中で滞在した家庭での元軍人巨漢の扱い。室内の主人公をガラス一枚隔て今にも破壊せんとする目付きの彼のカットが数回入るので、いざ家の外観と「逃げた主人公を八つ裂きにしろ」という屋内からの叫びを重ねた暁には、当然彼が壁をぶち破って飛び出さなくてはならないだろう。

正直ここまででさっさと映画館を出て帰りたかったのだが、「デカい陰茎が出る」と聞いていたので、そこまでは観とこうかなと思って最後まで観たが、ありゃ一体何だ?確かに大きいか大きくないかで言われたら大きいけれども、3時間近く待たせるほどの大きさではないぞ。『DUNE/砂の惑星』だって、1時間程であのデカさの仮性包茎みたいなの出してくるんだから、3時間近く待たせるんだったらもっとデカいモノを写すのが筋というものであろう。

アリ・アスターは3本見て3本ダメだったので、もういいです。
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