このレビューはネタバレを含みます
ボウの悪い所ってこれほど責められるべきことなのだろうか、、
病気のせいもあるかもしれないが、母の憎悪からくる周囲の操作(薬やカウセ)や教育によって相当な悪だと思い込まされているのではと思った。
発達障害持ちで治安が最悪な場所に住むいわゆる社会的弱者のボウが、敏腕経営者で社会的な力のある母の支配下にある構図。ボウは誠実に母の元へ帰ろうとするのになかなか上手くいかず、しまいには母の死は嘘で、母がボウを試すために仕組んだものだったと知る。
ラストの裁判ぽいシーンでは今までのボウの行いに対して議論がなされるが、当然社会的強者の母側が優勢で、ボウや弁護人が事情を弁解するが、全く刺さらずボウは処刑(？)されてしまう。全ては母親の手の中にあるというのを見せられている感じがした。
観客はひたすら無言で傍観するのみ。それなのに構図的にボウ1人vs母側勢力のように見える。これは「無言の持つ力」を表しているようで、世界中の問題や悲しい状況を私たちはカメラ(監視カメラ)を通して見ることはできるが、見るだけではなにも意味がなく、ましてやそれが加勢になっていることもあると暗に示しているのかなとも思った。
