このレビューはネタバレを含みます
アリアスター作品の中ではもっともフワフワしていて映画というより映像芸術に近い。ボーの眼を通した世界を観られるというだけで一見の価値ありだが、それが映画として面白いかは個人差がありそう。
注目したいのは冒頭。
『ヘレディタリー』では全てを操る神々世界の証明ともいえそうなミニチュアセットの中で登場人物を目覚めさせ、
『ミッドサマー』では一枚のタペストリーで物語そのものをネタバラシ。
それを考えると今回の物語は冒頭の分娩・出産の過程を精神的に描いたものかもしれないなという気がしてくる。最終的にボーがたどり着いたのは死ではなく生であり、祝福されるべきもの。バッドエンドで愛や希望を描くのがうまいアリアスターっぽい。