お久しぶりぶりの投稿です。
気づいたら前回から二週間も経っていました。どうも最近1日があっという間に終わってしまいます。時間が経つのは早いけど、この映画は長かった!
しかし長いとはいえ変に引き込まれる魅力があるのも間違いないです。私はいったい何を観せられているのか…アリアスター監督、彼が長編3作目にしてどのような作家なのかだんだんわかってきました。「ミッドサマー」の宗教的なシークエンスと「ヘレデタリー」の精神的なカオティックがここにきて融合した感じです。宗教と精神世界は同じようなもの。とは言えここまで意味のわからないものに仕上げるとはね。
精神世界で迷走する男の話かと思えば現実的なオチでもあり。現実と虚構の境目が分からない作品です。よくある「全ては彼の妄想でした」って結末ではないのです。
考察しがいのある映画ではありますが、その気ににれない。暑いし🥵
とにかくボーを演じたホアキンフェニックスが可哀想で気持ち悪くて可愛げがあって、改めて役者としての彼の凄さを感じました。
ボーほ本名は「ボー・ワッサーマン」と言いますが、このワッサーマンにはドイツ語で「水の妖精」という意味があるようです。
この映画、確かに水が印象的でした。とくにお風呂に入っている時に天井から不審者が降ってきて、外に逃げる。というシーン。ここから彼の外界への旅は始まります。
胎内にいるボーがこの世に性を受け、生まれてみたは良いもののこの世にはトラブルしかない…というメタファーなのが分かります。水は人の始まりである。人の記憶の最初は水と言わんばかりに要所で水の存在感が強いです。
本作で描かれている水は不気味なところはありますが、揺らぎや音はやはり心地よく感じられるところが映画のテーマを理解させている気がしてなりません。
テーマは分からないんですけどね笑
こんな感じの隠喩がたくさんある映画で、監督がどこまで意識的に作っているかは謎。
本作は大まかに4つの段落で展開されている映画ですが、各場面に特有の気持ち悪さや不気味さがありますね。
最初は全裸のじいさんやおっさんが路上で暴れて回るカオス。次はパステルカラーの部屋とペンキ。3番目は劇中劇。
この劇中劇でアニメーションが使われていますが、このアニメ。「オオカミの家」のクリエイターらしいですね。私、まだオオカミの家を見た事ないんですが、あのアニメの動きや背景の凹凸など、まあ割と好きかもしれない。
3時間くらいの長尺映画。A24としては最長という事ですが、まあ割とちゃんと観られました。こういう不条理的な作品は観る人をえらぶと思いますが、どうも私はこういうヘンテコで不気味な作品が好きらしいです。