YOSHIKI

映画:フィッシュマンズのYOSHIKIのレビュー・感想・評価

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)
5.0
“自分のやってる音楽はみんなに理解されると思ってない。でも、誰かの人生を変えてしまうくらいの音楽をやっているつもりだ。”

出会いから結成、別れ、再会に至るまでの軌跡を時系列に沿って辿る172分は、まさに素晴らしかった!夜中に軽い気持ちで見始めたけど、夢中で見入ってしまった!

意外なエピソードだったのが、『Chappie, Don't Cry』や『King Master George』を出した頃の彼らは「売れよう」と思っていたこと。メロディの構成に厳しい制約を受けながらも、ドラマのタイアップ曲を仕上げてヒットを狙ったが、「売れる」ことはなかった。この経験から、フィッシュマンズは音楽業界に対する不信感を抱くようになる。業界の期待に応えるよりも、自分たちの作りたい音楽を追求したいという想いが強まっていった。
そこには本来喜ばしいはずの佐藤伸治のミュージシャンとしての成長がある一方で、メンバーとのズレが生じていく。メンバーが減っていく中でも自分たちの「やるべきこと」を見失わずに、名盤『世田谷三部作』を作り上げる。

この映画に対して下津光史が「佐藤伸治はいつも佐藤伸治をサボらなかった。FishmansはいつもFishmansでした。」ってコメントしてた。マジでそう思った。彼らの音楽に対して妥協のない姿勢があったからこそ、時を超えても聴き手の心に生き続けているのだと思う。

最近は『空中キャンプ』と『Long Season』ばかり聴いてたけど、また1stから順に聴こうと思う。
ありがとう、フィッシュマンズ!
YOSHIKI

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