湊健一郎

茜色に焼かれるの湊健一郎のレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
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【まあがんばりましょうよ】


生きている意味が見出せなくなった人が、命を絶つことも、その人の自由な選択なのか?
こんな世の中だから、仕方が無いのか?

二時間半奈落のどん底に落とされたかのように息苦しくなった。
まだどん底の底があればマシだろうこの作品にはその底すらないように感じた。

ただただ、「それでも生きるんだ」という事に圧倒されるくらい向き合っている作品。

今のコロナ禍という事に作品の意義を見出し理不尽な社会に怒りという牙を向けた強いメッセージ性のある傑作でした。

『マスクしていてほんとうに意味のあることかみんな分からないないでしょ?同じ事。
生きてる意味がわからないけどみんな生きてる』

というセリフがリアルに刺さりました。

しかし尾野真千子の演技は圧巻。凄すぎる。
下手したら散漫にとっ散らかる作品を彼女の演技力で全て締め上げていた。

これは昨年見逃したなぁ。劇場で観るべき作品でした。(3.8点)
湊健一郎

湊健一郎