イスタンブールの闇を描いたトルコ映画。チャガタイ・ウルソイ主演。
廃品回収をして生計を経てている路上生活者の面倒を見ている兄貴分のメーメット、ある日、弟分が持ってきた回収袋の中から子供が出てきて放り出すことも出来ず保護することに。そしてその子をどうにか母親の元に返そうと奮闘するが...。
久しぶりにトルコ映画を観たけど、やはりすごい脚本力に演技力。トルコといえば大昔からすごい繁栄を極めた国だけど、貧富の差がこれだけあるのか思わせるぐらいリアルに描かれていた。こうした路上生活者はほとんどが両親もおらず自分の誕生日すら知らない若者たち、願い事を聞かれて「僕は死にたい。僕が大きくなって死んだら母さんが自分に気づかないから」という台詞が痛々しい。
そしてクライマックス、なんとなく勘付いてはいたけど悲しすぎる結末に。Netflix映画は他にも似たようなテイストの作品が多くて個人的には好みだけど良くも悪くも精神はゴリゴリ削られる。重苦しいテーマだけど、ハリウッドとはまた違った社会的メッセージとその人生の苦楽をうまいことまとめきったのは素晴らしい。余裕のある人にも、沈んでる人にもオススメッ！
