ブラックユーモアホフマン

ヘカテ デジタルリマスター版のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.7
これはまんまと好きなやつですね。
ある種のファムファタールもの。ノワールとも違うのだけど。

ペドロ・コスタの作品を思い出したりした。特に『溶岩の家』。そしてさらにその元の『私はゾンビと歩いた!』とかも。
あとはベルトルッチの『暗殺の森』『暗殺のオペラ』とかも思い出したり、ヴィスコンティの『異邦人』なんかもちょっと。
話の内容自体はロブ=グリエの『不滅の女』『嘘をつく男』とか、奔放で魅力的な女性に振り回されて潜在的ミソジニー爆発させる情け無い男の話ということではロメールの特に『コレクションする女』なんかも思い出したり。要するに、好きな要素ばかりだった。

しかしやはりダニエル・シュミットの演出は独特で、特に『ベレジーナ』もそうだったけど音楽の使い方が面白いと感じた。

何度か観て研究したい映画でした。

【一番好きなシーン】
女を探して彷徨う主人公。白人女を見かけては顔を見て確認する。そのたびに音楽が切り替わる。