ShinMakita

アミューズメント・パークのShinMakitaのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
1.7
70代の、とある爺さんが遊園地にやってきた。色々なアトラクションを前に目を輝かせる爺さん。ローラーコースターに乗ろうとしたら、乗車可能条件の所に「所得」とあるのが気になった。豆汽車に乗ったら後ろにいたジジイが道中亡くなって棺桶に入れられていた。ゴーカートに乗ると、老夫婦が若者のクルマにぶつかった現場に遭遇。警察がやってくるも、爺さんの目撃証言はアテにならんと却下された。レストランでも売店でも、覗いた演し物でも、どこに行っても爺さんは差別と搾取と暴力を受け続ける……


「アミューズメント・パーク」

以下、ジョージ・A. ネタバレ。


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シネマカリテの夏の風物詩。カリコレで1日限りの上映だったロメロ監督の幻の一本。

「人間って怖い」というテーマで差別と分断を描き続けた監督が、インディーズの依頼仕事でも手を抜かずブレないロメロ節を発揮してくれたのが嬉しい。「社会」の縮図と化したパークの異様さ冷酷さにゲンナリ。尺短くて良かったよ。コロナの時代でますます若者ー老人間の溝は広がっているから、何気にタイムリーな作品でした。終盤、「三匹の子豚」読み聞かせのシーンがたまらなく切なかったな…

楽しい楽しい遊園地が悪夢的空間に変貌するといえば、「エスケープ・フロム・トゥモロー」を思い出した。本作はその原型みたいな感じです。貴重な鑑賞体験でございました。
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