ベラボー

彼女が好きなものはのベラボーのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
-
傑作。
ゲイの少年とBL好き少女の友愛を起点に優しく厳しく懐深く描かれる青春群像を登場人物たちと一緒に喜び悲しみ悩み奮う時間。
それは願い祈りなのかも。
役者めちゃ良かったなあ。
演出も照明もカメラワークも劇伴も良かったなあ。
いい映画だ。

監督・脚本:草野翔吾。
「ひらいて」と本作でキャリアベスト更新真っ最中の山田杏奈 ちゃんと主演:神尾楓珠くんの素晴らしさは言うまでもなく、彼の恋人役:今井翼さん、そしてやっばり同級生男子の前田旺志郎くん三浦獠太くんめちゃ良かった。
旺志郎くんええ役者やなあほんまに。

‪じわじわとにじり寄るズームやドリー、にじり開くパンが印象的で。フィックスではないカメラワーク。
ある時は測るように。ある時は察る(慮る)ように‬

21.11.26鑑賞

12.4追記

昨年「ハーフ・オブ・イット」や「ブックスマート」に出会った感覚との重なりも感じます

今井翼くん演じる恋人の不実と誠実の葛藤がこの作品を更に魅力的に深めているなあって。高校生世代の多様性を理解していると自覚している、理解しなければいけないと理解している、(失敗も含めた)前向きな過程との対比。そして不実は悪では決してないし誠実も善では決してない。

三浦くん演じた同級生の誠実さ(正直さ?)とあらゆる場面で見られる“漢気”のあり方。彼のような登場人物ってなかなか出会うことがなく新鮮だった。主演二人と旺志郎くんの素晴らしさは先行上映時に表したので公開日に改めて。

“若さ”も強く感じた。彼らが年齢重ねたら。フォロワーさんのカップル・パートナーなしで描かれたものはないのかという旨のツイートにハッとさせられ。異性愛同性愛とか関係なしに“一人”“独り”という状態は少なくなくないだろうし、満足しているできる状況。ないものねだりあれど。

NHKドラマ版も観たいし原作も読んでみたい。違いあるのだろうか
ベラボー

ベラボー