mizuki

彼女が好きなものはのmizukiのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
4.0
こんな理解者ファンタジーだろ…いいなあ(『式日』と同じ感想)。わかろうとしてこない、そして本人が見えてないところが見えてる。近しい人が理解者って、結構難しいしあんまりないよな。飲み屋でたまたま一緒に飲んだ人とか、学校で違うグループの似たような立ち回りの人同士とか、理解者って何か爆発的だったり人為的な出来事でもない限り、自然には接近しないと思っている。二人は、いずれもだったと思う。

みんな隠しているだけで普通に色んなジェンダーの人がいるんだと思うけど、確かに中学生・高校生の頃って「ホモはキモい」が当たり前な風潮あったよな〜。道徳の授業とかで「同性愛者についてどう思いますか?」ってかしこまった質問をされたら、「自分は気にしないし、自由だと思います🌈」みたいに答えられるのにさ。確かに、身近でも「あいつホモじゃね?」って噂を立てられている子がいた。男女の関係と違って、軽蔑の眼差し混じりで。体の関係絡みだと特に、噂はまわる。基本嫉妬由来の噂なので…(中学高校は童貞処女ばっかだからね、やった・やらないは気になるよね…)。幸い?噂話の内容について意見を求められることはなかったから(友達が少ないだけですが)、人が話してるのを聞いてふーんって思っただけだったけど、「どう思う?」って聞かれてたら「キモい」って言っておこうってなっていたかも。単純に、反論する方がエネルギーがいることだったと思うから。
当時の流れは当時の流れだから、今振り返って良かった・悪かったは語れないけど、あの価値観が古くなって、「The オカマみたいなキャラの人だけが同性愛者じゃない」ってことが当たり前になってきて救われた人は多そうだなと思う。私は、なんとかしてあげなきゃと思えるほど他人に興味はないけど、全ての人が「自分ってなんで生まれてきちゃったんだろう」って考えなくて済む世界の方がいいに決まってるのでそこに加担はしていたい。もちろん、自分にとってそういう世界が一番生きやすいってだけだけど。常識にしていくべき思想を、さも当たり前かのような顔をして普通に会話に忍ばせるのが自分にできることかな。「これが普通なんだ」って他人に思わせたところが常識の起源だと思う。
意見って、ちゃんと自分の頭で考えて、軸を持って言わないと、不本意に人を傷つける。傷つけるなら、傷つけようとして傷つけないとと思うことは多々ある。傷つけようとして傷つける時、性格が終わっていない限り致命傷を負わせることはあまりないと思うから。

山田杏奈ちゃんマジで好きですやっぱり…。『ひらいて』の、男女をたぶらかす役もやばかったけど、普通にいい子の役もめちゃくちゃ合う。クラスですごく目立つわけではないけど、ちゃんと話すと面白いし明るいし芯があるしめちゃくちゃ可愛いという…自分を見つけ出してくれた人に絶対大事にされる、なんだかんだ一番大優勝な女の子なんだよな。
mizuki

mizuki