ぐり

彼女が好きなものはのぐりのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
3.7
極端かもしれないけど、LGBTQというくくりは、いつかなくなればいいなと思う。その人たちを特別視している感じがするから。人の性的指向は様々で、ひとりひとり違う。人の好きなもの(例えばBLとか)も様々で、ひとりひとり違う。いつかのテレビ番組でマツコが言っていた「人間はグラデーションなんだよ」という言葉、本当にその通りだと思う。だからこそ、部分的に人をくくるLGBTQという言葉よりも、すべての人をくくるSOGI(性的指向・性自認)という言葉がもっと広まってほしい、と私は思う。

本作の感想が上手く書けなくて、親友に一緒に考えてもらった。彼女は私の意見に共感してくれて、「愛のカタチは人それぞれ。名前はなくていいってことよ。」と語ってくれた。素敵な子に出会えたなと改めて感じた。

「僕が好きなものは、男であって、三浦さんだ。」

本作の中で、この台詞が1番好きだった。この台詞がすべてだと思った。自分を同性愛者だと認識していた安藤くんが、異性を好きになった。というより、"三浦さん(=その人自身)"を好きになった、のほうが正しいかな。それが、なんだかとても嬉しかった。

LGBTQについて、"カミングアウトする"とか、"理解する"とか、そういう概念のない世界に早くなったらいいのにな。同性愛者についても、腐女子についても、特に何も思われない世界であってほしい。ただ、好きな人の好きなもの(それが同性でもBLでも)については、理解して、肯定してあげたいと思う。それは、自分と違うから、じゃなくて、その人が好きだから。それだけで十分だと思う。

同性愛者を少し異質な目で見てしまうのは思春期だからなのかもしれないけど、そのせいで実際に苦しんでいる人がいるのなら、小学生あたりから、SOGI(性的指向・性自認)の話は教育としてすべきなんじゃないかなと思った。

なんかポエマーみたいになってしまった(?)以下、切り替えて、好きじゃなかったところを書きます😉

何気なく描かれる"女性を下に見ているような演出"が嫌いだった。安藤くんも、妻子持ちの誠さんも、自分を同性愛者だと認識しているけど、結婚して、子供を産むことが幸せだと思っていて、誠さんはそれを叶えて、安藤くんも叶えようとしている。そこまでは、個人の自由だから別にいいと思う。それなのに、それで幸せになれるはずなのに、どうして不倫するの?"同性愛者だから"妻子持ちでも別の同性と付き合っていいの?"同性愛者だから"同性の彼氏がいても異性と付き合っていいの?"同性愛者だから"許されるの?女性のことを"幸せになるためのただの道具"とでも思ってるのかな?って感じだった。なんでそこが何気なく描かれているのかがよくわからなかった。大抵の作品において、異性同士で不倫したら、それがメインでイザコザが描かれるのに、同性同士で不倫したら、それはあくまでも作品の中のひとつの要素に過ぎないの、凄く好きじゃない。もし自分の彼氏に"自分は同性愛者で彼氏がいます"って言われたら、"彼氏がいます"のほうで傷つくでしょう…そこが凄く不快だったな。

あと、過度な演出もあんまり好きじゃなかった。飛び降りるシーンとか。小野の言いたいことはわかるし、不器用なだけだったのかもしれないけど、あれでもし安藤くんが死んでたらどうなってたかな?って感じで、普通に不快だったな。

ということで、高校生(思春期)ならではの視点で描かれていたのは良かったけど、総合的にはハマりませんでした!まァ、かわいい山田杏奈ちゃんを摂取できたのでヨシとします。恋する乙女な杏奈ちゃんも、泣いてしまう杏奈ちゃんもたまらんでした🫶🏻ちな、三浦さん(山田杏奈)大量にBL本持ってて草だった!財力ある腐女子は素晴らしいですね😌今度何冊か貸してください🫶🏻

PS
単純な疑問だけど、なんで思春期の男の子って人の股間触りたがるんだろう?彼らなりのスキンシップ?亮平はめちゃくちゃ良い奴だったけど、人の股間触るとこだけはキモかったな(笑)
ぐり

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