このレビューはネタバレを含みます
2024-2
前々から見たかったので休みの日に鑑賞。
「複雑なことは無視して世界を簡単にしたくないんだ」と最初の方に主人公が言っていたが実際世界を簡単にしていたのは主人公だった。自分のためではなく周りのために、自分が嫌いで周りが大好きだからこそ世界を簡単にすることで周りを傷つけずに生きていた。
個人的には主人公が飛び降りた後のクラスでのディスカッションのシーンが印象的だった。上辺だけで分かった気になって結局は自分と違うから、と心のどこかでは他人事で結局突き放している。そんな教室内で小野がいちばんまっすぐで人間的だった。そんな小野の発言を責めた教師も結局は他人事としてしか見ていないんだろう。でも現実世界ではあの教室内のように理解した気になって結局は自分は普通だから、と突き放している人がほとんどだと思う。あのシーンはそんな世界に問題提起をしているように思えた。
同性愛とはそんなに異質なものだろうか、と常に思っていた私にとっては素晴らしい映画だった。これから先産まれてくる子達が「女の子が女の子を好きなのは変」や「男の子と男の子がキスするのはおかしい」なんて考え方を持たず、同性愛を純粋に人が人を好きになるただの恋愛として思ってくれれば世界はもう少し広がるのかなと思う。
エンドロールの後まで絶対に見た方がいい。
あとこれを見ると前田旺志郎が好きになると思う。