このレビューはネタバレを含みます
夢中で観た
観る前は「鬼太郎誕生」というタイトルから、原作の水木が幽霊族の夫婦と会い、鬼太郎を預けられるところからその後…あたりが描かれていると勝手に思っていたが、違った
設定は横溝正史的な、よくある「村」ホラー的な王道の中の王道
ストーリーや登場人物の行動背景、闇も非常に分かりやすい
しかし、ゲゲ郎の熱さ、それに感化されていく水木、次第に芽生えていくふたりの友情にはグッとくるものを感じた
幽霊族で人間に同胞を殺されまくっているゲゲ郎が、人の世の未来が明るくあることを願っているところもよかったな〜そこが鬼太郎の行動原理に繋がっているということなんやな 昔の鬼太郎はもっとニヒルだった気もするけど、最近の熱い鬼太郎も嫌いじゃないね
この生い立ちやと、墓場鬼太郎には繋がらん気もする
エンディング〜エンディング後は原作準拠の水木と幽霊族の夫婦との出会い、鬼太郎誕生が描かれている なるほどこう繋がるんかとワクワクした これで幽霊族の夫婦（ゲゲ郎と奥さん）が水木に鬼太郎を託した理由も説明される 水木は村での事件後、記憶を失っているので、水木視点では「なぜ俺が…」「なぜか誘われるように…」となっているんやな〜
こういうの好き
戦闘シーンがぬるぬるでめちゃくちゃ気合いが入っていて、こだわりを感じた（特に裏鬼道VSゲゲ郎）始まりからかっこいい
鬼太郎の映画でこんなにかっこいい戦闘が観られるとは
逆に妖怪の描写はもっとおどろおどろしくてもよかったのにとも思った
終盤の時貞翁が時弥の体を乗っ取った後、顔だけ時貞なの、いらん演出やったなあ
不気味さを出したかったんやろうけど無駄にポップになってしまっていた
時弥のままで声が違うとかの方が雰囲気出たやろうし絶望感あったんじゃないかなあ
水木しげるの反戦思想や発展を求めて歪さを増していく現代社会への批判を随所に感じた
このエッセンスを残しているのはかなり信頼できる作り手だなと思った
最近戦争を感じる映画多いね
