⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のあのネタバレレビュー・内容・結末

ゲゲゲの鬼太郎の映画というより、水木先生の映画という感じがした。
戦争映画ではないものの、戦争のグロさや陰鬱さが伝わってくる。
本当の悪は時貞だけで家族もみんな（特に女）は被害者なんだけど、被害者が加害者を肯定して加害を続けていく自己欺瞞みたいなものがすごく刺さった。
主人公（？）の水木が、表向きは折角生き残ったんだからとか死ぬなんて馬鹿だと言いつつも、夢の中では殺されたがっているあたりが、名誉の戦死って言葉にみんな取り憑かれてた時代があったんだなと思った。
丙江の駆け落ちの話なんかは、絶対後で触れられると思ったのに触れられなかったり、短い尺の中でメインを絞ってるから龍賀家についての描写があまりなくていい意味でモヤモヤする。それが考察や想像の余地を残していてヒットの要因なのかなと思う。
終盤の黒幕の悪事などの展開はありきたりで、だいぶ胸糞悪いことやっててヘイト時間が多い割に断罪シーンはあっさり目で少し消化不良だった。けど、アクションシーンと場の見栄えが良いのでダレることはなかったと思う。