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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のカネコのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.2
映画の日に首と二本立てで鑑賞🎥

鬼太郎は3期ドンピシャ世代で映画版ベスト1は激突!!異次元妖怪の大反乱。アニメの地獄編も好き。
原作は墓場鬼太郎復刻は全て読了済みでゲゲゲはコツコツ集めてる途中。
アニメ6期の映画という事で放送時はちょこちょこ時間が合えば観ていて現代っぽさと今までの鬼太郎のイメージのすり合わせのバランスが良くて楽しく観れていた。

前置きが長くなったけど本編の話。

昭和36年。日本が敗戦から復興に向かう時期。
血液銀行に勤務する復員兵の水木が自らの出世の為、大手製薬会社・龍賀家のある哭倉村に出向く。
古い因習やしきたりが残る閉鎖的な村で起こる御家騒動・猟奇的殺人事件そこに現れる鬼太郎の父・ゲゲ郎。
水木の辿り着く真相とは。

最初に一言で言うとめちゃくちゃ良かった!
皆さん挙って何度も入村する(ゲ謎観ることをこう言うらしい。)のが分かる。考察が捗る名作だった。

鬼太郎映画とは言っても鬼太郎は最初と最後に少し出てくるだけでいわゆるキャラクターヒーロー物映画になっていない所が大人も楽しめる作品になっている。PG12だしね。

舞台となる八つ墓村と犬神家を足して二で割ったようなおどろおどろしい村と鬼太郎の雰囲気はぴったり。

メインの水木は墓場鬼太郎に登場するキャラクター。まず体型がちゃんと戦後の胴長短足日本人なのが良。スーツも当時の太めシルエット。
人物像が戦争で玉砕を命じられたものの生き残った、水木しげる先生本人の戦争の経験や平和に対しての考え方が反映されているのも良かった。

ゴア表現もしっかりあって女性串刺しとか。あと白塗り奇人が出てくるのは最近の邦画の流行り?首にも出てきてた。

中盤の裏鬼道との戦闘シーンは圧巻。
乱暴にも見える躍動感と疾走感が抜群だった。

原作墓場鬼太郎の漫画にあった幽霊族成り立ちから幽霊族の城?(ブリューゲルのバベルの塔的な)の絵が使われてたのは原作好きからしたらエンディングも含めて嬉しかった。

大人のやった悪事の精算を子供がしている家系で現代の日本の構造にも似ていると感じた。
酷い大人がたくさん出て来てしんどい場面は多い。
とにかく子供が不憫で。
クリームソーダの願いとか最後に生き残った狂骨の願いには泣けた。

ちゃんちゃんこの出来たくだりは胸熱だったし若い目玉親父ゲゲ郎がお風呂好きな所も描かれていてほっこりした。
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