せん

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のせんのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

なるほど。
ずっと墓場鬼太郎に繋がる物語かと思って勘違いしながら見ていた。ゲゲゲの謎ってちゃんと言ってるのにすみません。
みなさんの感想見たところ、たしかにこれは『墓場』の前日譚ではなく『ゲゲゲ』の前日譚なのか。
そう思うと納得。
おそらくわたしが墓場鬼太郎の方が好きなので合わなかったというだけ。

水木とオヤジはあの廃墟で出会う前に実は出会っていて.......という設定。

エンドロールでの本編との繋がり方は少し心を打たれた。
水木がオヤジと頑張ったことをすっかり忘れているというのがなんとも切ない。
墓場鬼太郎の方で廃墟で水木と出会ったオヤジは「妻のお腹の子は幽霊族の最後の希望なのです」と力説するのですが、その言葉により重みが出ることになるストーリーだと思う。

あと、水木が墓場から出てきた鬼太郎を育てることにしたのも、ほうほうなるほど.......という感じがした。

墓場鬼太郎の続きでは、水木は鬼太郎を引き取ったものの、不気味に成長していく鬼太郎を気味悪がる。最終的に、夜中に何かをしている鬼太郎の後をつけた結果、色々あって地獄に落ちてしまうという不遇な男として水木は描かれる。
しかも、地獄に落ちてしまう水木を鬼太郎もそして目玉の親父も「仕方がない」みたいな感じで、一歩引いて冷めた目で見ている。
この映画の物語を『墓場鬼太郎』の前日譚として見てしまうと、オヤジは水木のことを相棒と呼んでいるのだし、水木が地獄に落ちてしまう時にあんな淡白になるかな? とも思ってしまい、感動まではできなかった。なので、これはゲゲゲの鬼太郎なのである。

鬼太郎は2種類いて、子供向けアニメの人間のヒーローである鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)と、邪悪な鬼太郎(墓場鬼太郎)がいる。
この映画の鬼太郎は前者のヒーロー鬼太郎なので、墓場鬼太郎の邪悪鬼太郎が大大大好きな人にとっては不完全燃焼かもしれないと思う。

わたしは墓場鬼太郎の鬼太郎の、皮肉さ淡白さや、妖怪として人間を俯瞰している立場や目線が大好きで、さらにその鬼太郎の横で本質に迫ることをポロッと言う目玉の親父が大好きなので、この映画はまじでずっと大規模な二次創作見てる感じがした。

すいませんなんか。

あっ、水木さんの戦争体験なども絡めて伝えていたことろはとても良かった。
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