しかC

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のしかCのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

あくまで完全に個人的な感想なので許してほしいのですが(映画の感想なんてそもそも個人的な視点にならざるを得ないものだが)キャラクターデザインがとにかく苦手で全く受け付けない というのがまずある。それに加えて、そもそも作画などの動きの見せ方(背景やレイアウトなども含めて)がことごとく琴線に触れない というのが相まって、自分の中で評価が著しく低い作品になってしまった。作品そのものの時代設定や仕掛けなどはかなり良いと思うので、土台は良いけどその上の乗る構造物がぜんぜんダメだった…という感覚。奇しくも「ゴジラ-1.0」と同じような感想になってしまった。

* * *

〝残念ながらこの国は あの日君と夢見た未来とは程遠い〟という風刺のような台詞があったけど、自分はこれを〝鬼太郎という作品を使って「現代でお金を生む」にはつまらない絵柄のキャラクターによる虚無のビジュアルにしなければ成立しない〟という作品が抱える自己矛盾に接続して考えてしまった。
龍賀時貞の所業のように「鬼太郎」という作品を食い物にして養分を吸い取り続けてきた結果、萌え絵のような女性キャラクター(あるいは萌え化したネコ娘)が当たり前のように出てきてしまう醜悪なビジュアルに成り果ててしまった。

かつての日本の悪しき父権制度による都合の良い女性の搾取というのが、龍賀沙代という萌え絵的(煽情的)キャラクターとして象徴的にビジュアル化されている……という解釈も思いついたものの、そうなるとやっぱりネコ娘はあんな現代的デザインではなくもっと原作よりにするべきだし、やっぱり整合性がとれない。つまりこの作品が批判している事の内側にこの作品も存在していて、その事に無自覚なのでは…という疑念が生じる。
それに対してかける言葉は「あんた、つまんねえな!」しかない。
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