なるほど、いわゆるエピソード0か。まあ、「誕生」とタイトルに付くんだから、そりゃそうか。
「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメはかなり昔から数年ごとにオンエアされており、ちょこちょこ観ていた。年代ごとシーズンごとそれなりにテイストが異なっているけれど、基本的な設定、みんなが知っている "鬼太郎と妖怪仲間たち" の顔ぶれは変わらない。
一方、それとは別にかなりダークな世界観に驚く「墓場鬼太郎」というプロトタイプと呼ばれるものがある。本屋で少しだけ立ち読みして知り、その後こちらも2008年にアニメ化されている。Wikipediaによるとそのアニメ化に当たっては「アニメ『ゲゲゲ〜』第1・第2シリーズの前史および全鬼太郎アニメシリーズ共通のプロローグ的位置付けを持たせる意味もあった」とある。
本作の予告には見慣れた妖怪たちは出てこず、春休みや夏休みにかかる子供向けではなさそうに思えた。PG12指定でもあり、これはきっと「墓場」の世界観なんだろうなぁと予想。
実際、半ば過ぎまではもはや横溝正史=金田一耕助ワールドという雰囲気の2時間サスペンスしており、ストーリーは本作オリジナルでテレビシリーズ第6期がベースらしい。太平洋戦争の話が挟まれるのは原作者水木しげるリスペクトだろう。
終盤の幽霊族の話でやっと妖怪談っぽくなり、あれやこれやで既存の作品群に繋がるエンディングだった。
