まぐらいだあ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のまぐらいだあのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.3
ちょっと期待し過ぎたかも。

評判良かったので鑑賞。
鬼太郎は基本知識だけでTVシリーズを見ていない状態。それでも話が独立していて、今作の主人公は水木だからだいじょうぶ。

ゲゲゲの謎っていうほど秘密があるわけじゃない。
構成と殺人描写などはめっちゃ良かったし、子ども向けと思いきや、容赦のなさには驚いた。
横溝正史的であったり、京極夏彦作品のように妖怪×ミステリの手法をとっている。といっても今作は妖怪作品だけど。

だからだろうか、一見、そもそも主人公とゲゲ郎(鬼太郎パパ)のバディものと思いきやそうでない。この二人の関係性を築くような描写は弱いし、どちらかというと二人のそれぞれの目的が村にあるから探っていくっていう感じだった。

そして、謎を解き明かそうとしていく中で殺人が起き、警察が介入できない状態となるよくあるミステリ世界に突入するけど、水木が殺人事件を解決する探偵的な人物ではないし、そこにたいして触れていない。
あくまで水木の目的は別のものなのだが、かといって謎解きパートがあって徐々に謎が解明されていくわけではなく、なんかゲゲ郎が敵を倒していって、協力者から謎解きアイテムをもらって、謎を提示しているのにも関わらず、そのままあっさりと謎の解明パートになる。見たい部分はそこなのに残念。

だからミステリー的な問題提起をしているのに、まったくそこの部分が浅過ぎて興醒めしてしまった。
時代だけに煙草描写やアクションパートはよくて、そこからの妖怪バトル展開はそれなりに見れるのだから、わざわざミステリー手法にした意味を見失っている感じがしたので、非常にバトル×謎解きのバランスが悪い。

そこがもったいないから中盤が面白くなくて、クライマックスも折角のバディ感は薄れてしまっていて最後までのれなかった。