のどあめ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎ののどあめのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

おそらく日本のアニメーション作品の中でもトップレベルの凄まじい傑作。

最初はテンポが早すぎると思ったが、見終わったときは、正直このテンポで駆け抜けてくれなかったらこれ以上の時間は見れなかったと思うほど破壊力のある話。
閉鎖的な村の秘密を暴くという王道な物語だが、自分が親だったら子供に見せてもいいのか戸惑うほど恐ろしく、残酷で容赦のない話になっている(褒め言葉である)
戦中、戦後の問題を現代にまで接続する射程の長さと、それをコンパクトにまとめる力量。
普遍的な、いちばん恐ろしいのはやはり人間であるという残酷さ。
ゲゲゲの本質をしっかり内蔵している。

人間たちが放つ「バケモノ」ということばが、まんまその言葉を放った人間たちを指している。
しかし時貞を筆頭にこの人間たちの邪悪さは近年稀に見る。あまたの悪役が霞むほど。

そこから水木のこんな世界亡びてしまえばいい、という叫びへの共感があり、
それでも誰かが引き受けなければならない、未来の子供たちのために、というゲゲ郎の覚悟。最後の「ワスレナイデ」。
ハイライトはいくつもある。

さよとときがあまりにも不憫で、最後にやっとすこし救われたように思われてよかった…
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