このレビューはネタバレを含みます
オンライン先行試写にて。
甘い甘い、見てる側がにやけてしまうような前半から一転、後半は美咲の病気が進む様を、そして彼女を取り巻く残酷な現実を多角的に捉えるシーンが続きます。
この128分の物語、晴人と美咲の物語を切り取る媒体がカメラであり、写真。
その一瞬を閉じ込めて、焼き付ける。そこにある時間と空間を可視化する。
撮る人にも見る人にもそれぞれ人生という文脈がある中で、そこに共に過ごした空間と時間が存在しているのならば、この静的な芸術作品=写真は、切り取られた画像であるばかりか、その対象が動きだすのだなと感じずにはいられませんでした。
晴人が参加する展覧会のテーマが、「二十一世紀の時間と空間」(空間と時間だったかも)であることも2人の物語が、写真で綴られていたことを示していますね。
パソコンの前でブチ泣いてしまうようなオンライン試写会でしたが、最後、エンドロールの後に遊び心も忘れないあたり、いろいろな世界線を想像させてくれます。
中島健人さん含め、役者の方々も豪華でしたが、松本穂香さんにここからしばらくはガチ恋しちゃいそうです。